
"らしさ"の定型が、本質を覆い隠す
高齢者デイサービスを運営してきたシルバーハートが、障害者グループホームという新しい事業領域に踏み出しました。
古い民家をメンバー自身の手で改修し、敷地にオリーブの木を植えて立ち上げた場所です。しかし、その想いと個性を伝えるための「顔」がまだありませんでした。
障害福祉の領域には、"らしさ"の定型があります。パステルカラー、丸ゴシック、やわらかなイラスト。しかし福祉の現場はやさしさだけではありません。
入居者の方、ご家族の方、そしてそこで働くスタッフにとって、グループハウスは生活の場です。
力強く生活を営む人たちの場所に、過度に保護的なトーンはそぐわないと考えました。
削ぎ落とした先に、生命力が残る
厳しい環境でも根を張り、陽を浴びて実をつけるオリーブ。その生命力と、ここで暮らす人たちの毎日を重ねています。
生活は日々の繰り返しであり、やさしさだけでは語れません。泥臭さもあります。特別な支援を届けることではなく、苦楽をともにする毎日の中にこそ本質がある
タグライン「ともにみのる まいにちのくらし」は、その実感から生まれました。
ビジュアルは、マティスの切り絵やイベリア半島のフォークアートに通じる造形を採りました。複雑なものを大胆に削ぎ落とし、形と色だけで生命力を表現する手法です。
それはオリーブハウスのサービスそのものでもあります——特別な仕組みではなく、当たり前の暮らしを手づくりで支えるという本質を、そのままかたちにしました。
カラーパレットは8色。オリーブグリーンを軸に、パープル、朱赤、ピンクを加え、暮らしの多様性を色で表しています。
名刺はフォントサイズを通常より大きく設計しました。手に取る人——家族、ケースワーカー、医療連携先——を想定したユニバーサルデザインです。

事業の背景と暮らしの実態を聞き取る
高齢者デイサービスからの新規参入の経緯、古民家をDIYで改修した過程、入居者の日中の過ごし方を聞き取りました。そこで語られたのが、敷地にオリーブの木を植えた話。厳しい環境でも根を張り実をつけるオリーブに、ここでの暮らしへの願いが重なっていました。
「ともにみのる」の発見
生活は日々の繰り返しであり、やさしさだけでは語れません。特別な支援を届けることではなく、苦楽をともにする毎日の中にこそ本質がある——そこからタグライン「ともにみのる まいにちのくらし」を導出。ビジュアルの方向性も同時に決定。マティスの切り絵やイベリア半島のフォークアートに通じる、複雑なものを削ぎ落として形と色だけで生命力を表現する造形を採りました。
暮らしの本質を、すべてのタッチポイントに実装する
コンセプトをロゴ・カラーパレット・イラストレーション・パンフレット・名刺に展開。カラーパレットは8色、オリーブグリーンを軸にパープル・朱赤・ピンクを加え、暮らしの多様性を表現しました。名刺はフォントサイズを通常より大きくしたユニバーサルデザイン。手に取る人——家族、ケースワーカー、医療連携先——を想定しています。


手に取る人の判断を、1枚で完結させる
三つ折りパンフレットは、表紙でブランドの世界観を伝え、中面でサービス内容・一日の流れ・食事、裏面で医療連携・アクセス・利用案内を配置。
家族やケースワーカーが「ここに預けて大丈夫か」を判断するために必要な情報を、手に取る順序で設計しています。

