環境開発工業株式会社様
7社の共創から、産業インフラの新しいカテゴリを立ち上げる
使用済みトナーと植物由来副産物から生まれる材料を、既存の「再生材」「添加剤」の枠ではなく、「進化剤」という新しいカテゴリとして再定義。再生材率から道路寿命へ、評価軸そのものを書き換えるブランド設計に、コンセプトからCI/BI、エコシステムの可視化までを一貫で担った。

本当の難しさは、性能ではなく、商材カテゴリの設定。
使用済みトナーと植物由来の副産物を、独自の造粒技術でアスファルト向けの機能材へと変える。
たった1%の添加で道路の耐流動性を高めつつ、これまで焼却に向かっていた素材に出口をつくる技術です。
性能そのものに疑いの余地はありませんでした。
しかし市場は既存の物差しで意味づけしようとします。
「再生材の一種」「エコ商材」「混ぜもの」といった誤読が、本来の価値を打ち消しかねない状況にありました。
「どれだけ再生材を入れたか(Input)」の競争に巻き込まれれば、「どれだけ道路が強くなるか・長持ちするか(Output)」という本質価値は見えなくなります。
さらに深層には、業界固有の矜持があります。
アスファルトの現場には「自分たちは社会インフラを作っているの」という強い職業的プライドが根づいています。
「黒いから混ぜればいい」「エコだから使ってほしい」という語り方は、感情的な拒絶を生む最大の引き金になる領域です。
廃棄物由来の素材を扱いながら、現場の誇りを傷つけない──その両立が、ブランド設計の出発点となりました。
また、7社という異業種連携の座組も、主語のつくり方を難しくします。どの1社を前に出しても、他社の貢献が後景に退いてしまう。「プロジェクトそのもの」を主語にできる構造が、ブランドと情報設計の両方に求められていました。

↑ブランドの出発点となった課題意識
市場の評価軸を書き換えるための概念設計
技術価値の翻訳ではなく、市場が価値判断に使う「ものさし」そのものを再設計する。
そこから逆算して、概念・名前・CI・共創構造の可視化までを一体で組み立てました。
Hard FactsとSoft Facts、両面からの情報収集
既存競合の強み・弱みと、公共調達制度の潮流、ライフサイクルコストの考え方を整理。同時に、プラント現場・経営層・販売・リサイクラー各プレイヤーの心理構造をステークホルダー別に分解しました。技術だけでは動かない意思決定の構造を、事前に考慮しています。
「機能的循環」という概念の発見
再生材率(Input)競争から、道路の機能向上・寿命(Output)競争へ、戦う土俵を移す。この発想を起点に、商品を「添加剤」ではなく「進化剤」として再定義しました。廃棄物由来であることの社会的必然性と、インフラの強度を高めるという機能性のどちらも語れるコンセプトを組み立てています。
ブランド名・CI・コンセプトデッキ・共創図への一体実装
ブランド名「MICHINARU/みちなる」には、未知の可能性(未知なる)と道(road)の二重の意味を込めました。シンボルと欧文タイプロゴをセットで設計し、関連区分で商標出願。コンセプトデッキ、共創エコシステム図まで、同一の思想で統一しています。
コンセプトの組み立て

シンボルには「道」と「循環」を重ね合わせ、物理的な道路と、価値を循環させる軌道の両方を同時に示しています。「未知なる」という名前のとおり、まだ言語化されていない新しい材料カテゴリを、ひとつの記号として定義する意図を込めました。装飾を削ぎ落としたソリッドな黒のフォルムは、インフラを支える材料としての「強さ」を示唆するもの。土木・道路という重量のある領域に置かれる前提で、記号としての硬さを優先しています。
欧文タイプロゴと組み合わせた単位で運用し、関連区分で商標出願を完了しています。




概念から積み上げる、段階的なブランド資産の設計
コンセプト→命名→CI/BI→コンセプトデッキ→共創エコシステム図→プレスリリース方針まで、ブランド根幹を貫く設計を一体で納品しています。特許出願中の制約下では、数値や効果を断定することはできません。
だからこそ初期の公開情報は「なぜこのプロジェクトが存在するのか」という概念に重心を置き、事実は段階的に積み上げる構造をとっています。
7社共創の見せ方も、特定の1社を主語にしない前提で設計しています。
循環図はブランドロゴを中央に据え、参画各社が円環上に配置される構造。プレスリリースのリード文には参画全社の所在地・代表者名を並列する形式、Webでの企業表示もプロセス軸の円環配置を採用しました。「プロジェクトが主語になる」構造を、ビジュアルと文言の両方で担保しています。
ブランド資産は、今後のプレスリリース、Webサイト、営業資料、公的評価制度への申請資料など、タッチポイントごとに展開されていきます。
媒体ごとに「言うこと/言わないこと」の階層が保てるよう、Web=思想と社会的価値、営業資料=技術データとライフサイクルコスト、といった役割分担の設計書としても機能します。
概念の純度を損なわず、市場に段階的に浸透させていくための土台として位置づけています。

MICHINARUの担う「共創と循環のエコシステム」ーMICHINARUプレスリリースより



