富士興産株式会社様
燃料商社のサステナビリティを、運用可能な事業ブランドへ翻訳する
「サステナブル」という言葉が抽象化・理想化される市場文脈の中で、富士興産が実装する3つの低炭素燃料事業を、サーキュラーエコノミーの構造に接続した「選べる商材」として再定義。商材識別と事業ポジションを同じ造形原理で貫くBI体系を設計。

やっている事業の真価と、語られている「サステナブル」の温度差
富士興産株式会社はBDF(バイオディーゼル燃料)、再生重油、オフセット燃料という3つの低炭素燃料を取り扱っています。
燃料商社としてのサプライチェーン網や提案の柔軟性を活かし、地域の廃食油や使用済重油といった遊休資源を循環の中に戻す。
顧客の脱炭素移行を「現実の運用に寄り添いながら、確実に組み込める形」で支えることのできる商材を持っていました。
市場文脈における「サステナビリティ」は、しばしば抽象的な理念や、特別な投資を要する例外措置、ないしは「外向きのスタイル」として語られることがあります。そのため、具体的な実装手段を持つ事業主体であっても、顧客の課題に応える地に足のついた事業として認識されにくい構造がありました。。
加えて、社内では各商材が独立した位置づけで運用されており、3つを統合した「サステナブル燃料事業」としてどう市場に立つのかが定義されていない状態。展示会や営業の現場では商材ごとの個別説明が中心となり、それぞれをサーキュラーエコノミーという大きな文脈に接続する語り方が確立されていませんでした。
燃料による脱炭素の推進は、現場に寄り添う、最も地に足の着いた形の排出削減施策の一つであり、市場からその真価が認知されないことは、大きな機会損失につながります。
これは、「やっていることは正しいが、事業の真価が市場に発信できていない」状況です。
したがって本案件は、すでに事業として成立しているものを、それに見合う言語と形式に翻訳しなおす仕事でした。
商材構造をそのまま事業ポジショニングへ翻訳する
私たちは、展示会で蓄積された顧客データから、3商材がどう使われているかを読み直すことから始めました。
そのうえで、サーキュラーエコノミーという大きなストーリーにおける事業の位置づけを定義し、、富士興産のサステナブル燃料事業に流れるDNAを思想と造形を同じ原理で接続するBI体系として整理しました。

商材ごとの使われ方と 顧客層を可視化する
過去の展示会で蓄積された来場者リストと商談記録を再構成したうえで営業現場の体感と突き合せ、業界別・関心軸別のセグメントを抽出しました。商材ごとの引き合いパターンの違いも明らかに。事業の「現在の使われ方」を起点に、ブランドが向き合うべき顧客像と論点を特定しています。
「フレキシブル」を 事業の中心概念に据える
サステナビリティを「現場の運用に組み込める柔軟な選択肢」として再定義し、選べる商材群というポジションをメッセージ階層の頂点に据えました。その思想を「サステナブルを、もっとフレキシブルに。」というタグラインに結晶させています。
思想・形・運用を同じ原理で接続する
円を分割したモジュールを基本単位とし、その組み合わせから多様なパターンが生まれる造形原理を「フレキシブル・デザインシステム」として構築しています。3商材シンボルとマスターロゴが同一造形言語の中で接続するロゴ体系を設計し、商標登録を含めた運用基盤として整備しました。


思想と造形を一つの原理で接続するブランド資産
事業のコア概念である「フレキシブル」を、思想・形式・運用の3層で一貫させています。
同一形状のモジュールが組み合わさって多様なパターンを生む造形原理は、3商材を組み合わせて顧客ごとに最適解を提供するという事業構造そのものの視覚的な翻訳です。
成果物として、マスターロゴと商材3点(BDF・再生重油・オフセット燃料)の計4ロゴを商標登録のうえで知財化し、ブランドガイドラインにアイソレーション・カラーシステム・タイポグラフィ・アイコノグラフィ・適用例まで含めて整備しました。
富士興産のコーポレートブランドカラーを継承するFKブルーとFKグリーンに、サステナ事業の独自色としてカーボン・サンドを加えた階層的なカラー設計により、本体ブランドとの連続性を保ちつつサステナ事業領域の独立した識別性を担保しています。
完成したBIは、展示会・営業ツール・コーポレートサイトのIRセクションに展開され、商材識別と事業ポジショニングを同じ造形言語で貫く運用基盤となっています。





